ディプロマポリシー・カリキュラムポリシー

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工学部 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)2020年4月以降入学者対象

工学部では,安全で安心な社会の創造に寄与することを目的に,その創造のための基礎的な知識・教養,幅広い専門知識に裏打ちされた高度な専門能力,さらに歴史や文化,習慣の違いを超えて世界の人々と協働し,倫理観を持ち主体的に行動できる総合的な能力を備えた高度専門技術者を養成します。
この人材養成目的を踏まえ,工学部では,以下の知識・能力等を修得するとともにそれらを課題の解決において活用・実践できる者に学位を授与します。

  1. 安全・安心社会を創造するための基礎としての数学や自然科学に関する知識・能力
  2. 各分野の専門技術者として国際社会の中で責任を果たすための専門知識・能力
  3. 産業実践力も含め,多様な学問分野にかかわる幅広い知識・能力
  4. 夢を形にする高度専門技術者に求められる創造力,自己学修力,問題解決能力,協調性,およびコミュニケーション能力を併せた総合力
  5. 技術者として守るべき倫理や負うべき社会的責任に関する理解

学士力との対応関係

  1. 知識・理解 2. 汎用的技能 3. 態度・志向性 4. 総合的な学習経験と創造的思考力
(a)数学・自然科学    
(b)専門    
(c)幅広い知識・能力  
(d)総合力    
(e)    

学士力

  1. 知識・理解(文化,社会,自然 等)
  2. 汎用的技能(コミュニケーションスキル,数量的スキル,問題解決能力等)
  3. 態度・志向性(自己管理力,チームワーク,倫理観,社会的責任等)
  4. 総合的な学習経験と創造的思考力

各学科における学位授与の方針は,工学部の方針のもと,卒業後の進路等社会のニーズを踏まえ,以下の通りとします。

機械・システム工学科

機械・システム工学科では,グローバルな視点から安全で安心な社会および人と環境が調和した社会を創造する革新的ものづくりに貢献できる高度専門技術者を輩出します。
以下の知識・能力等を修得するとともに,それらを課題の解決において活用・実践できる者に学位を授与します。

(MSa) 安全・安心な社会を創造するための基礎としての数学や自然科学,情報技術に関する知識・能力 
(MSb) 本学科の各コース(機械工学,ロボティクス,原子力安全工学)における専門的知識・能力
(MSc)多様な学問分野にかかわる幅広い知識・能力および専門的知識・能力を他分野に応用する能力
(MSd)工学部の(d)と同じ
(MSe)工学部の(e)と同じ

電気電子情報工学科

以下の知識・能力等を修得するとともにそれらを課題の解決において活用・実践できる者に学位を授与します。

(EIa) 工学部の(a)と同じ
(EIb) 電気電子情報工学の主要分野(物性・デバイス工学,エネルギー工学,システム工学,通信工学,情報工学)に関する専門知識,およびそれを課題の解決に応用できる能力。さらに,電子物性工学コースと電気通信システム工学コースにおいてはコンピュータやネットワークの実践的な取り扱いや基礎的なプログラミングができる能力,情報工学コースにおいてはハードウェアおよびソフトウェアの両面から情報システムを設計する能力。
(EIc) 工学部の(c)と同じ
(EId) 工学部の(d)と同じ
(EIe) 工学部の(e)と同じ

建築・都市環境工学科

以下の知識・能力等を修得するとともに,それらを建築・土木分野に関連する計画・設計・施工・維持管理などにおける課題を解決するために活用・実践できる者に学位を授与します。

(ACa) 工学部の(a)と同じ
(ACb) 地球的視野に基づく思考力や社会の要求を見極めた体系的デザイン力,論理的思考力・表現力,課題設定力,計画立案・実践力。 建築・都市環境工学に関する包括的な専門基礎知識と基礎能力。
(ACc) 工学部の(c)と同じ
(ACd) 工学部の(d)と同じ
(ACe) 工学部の(e)と同じ

<物質・生命化学科>

以下の知識・能力等を修得するとともにそれらを課題の解決において活用・実践できる者に学位を授与します。 (MBa) 工学部の(a)と同じ (MBb) 物質・生命化学の主要分野(物質化学,生物化学,繊維・材料工学)に関する専門知識,およびそれを課題の解決に応用できる能力 (MBc) 工学部の(c)と同じ (MBd) 工学部の(d)と同じ (MBe) 工学部の(e)と同じ

応用物理学科

以下の知識・能力等を修得するとともにそれらを課題の解決において活用・実践できる者に学位を授与します。 (APa) 物理学を中心とした理工学の確固たる基礎知識と,それらを応用する能力 (APb) 基礎知識に基づいてものごとの本質を捉えた上でその知見から総合的に発想し,未知の技術革新に対応できる能力 (APc) 新しい知識・技術を自ら学び,計画的に課題の解決に取り組む能力 (APd) 他者とコミュニケーションをとることや、協力してプロジェクトを進めることができる能力 (APe) 工学部の(e)と同じ

工学研究科博士前期課程 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
2020年3月以前入学者対象

工学研究科では,確かな専門知識と高い倫理観を有し,自然や環境と調和した人間社会の豊かな発展に貢献できる高度専門技術者や研究者等を養成します。
特に,博士前期課程では,産業現場において中核となって活躍できる人材の養成を行います
以上の人材養成目的を踏まえ,博士前期課程では,学生が知識・能力等に係る以下の目標に到達しているとともにそれらを課題の解決において活用・実践できることを学位授与の方針とします。この方針は,国際総合工学特別コース(GEPIS)にも適用します。

  1. 高度な専門的知識・能力,および専門に関連した幅広い基礎知識を有している。
  2. 創造力,自己学修力,問題発見・解決能力,およびコミュニケーション能力を有している。
  3. 高度専門技術者として守るべき倫理や負うべき社会的責任を自覚し,幅広い視野をもって社会の発展に貢献できる。

さらに,各専攻では,修了後の進路等社会のニーズなどを踏まえ,獲得すべき知識・能力等として以下を定めます。

機械工学専攻

(Ma) 環境に調和した快適な社会生活を過ごすためのものづくりを,ハードとソフトの両面から推し進めるために,機能創成工学,熱流体システム,システム制御工学のいずれかに関する高度な専門知識と問題解決への応用能力を有している。
(Mb) 地域と国際社会の未来を支える科学技術の創造に貢献できる。
(Mc) 人類の持続可能な発展に寄与できるグローバルな視点を持つ。

電気・電子工学専攻

(Ea)電気・電子工学の主要な分野である物性・デバイス工学,エネルギー工学,システム工学において,高度かつ複雑化する社会ニーズに柔軟に対応できる専門知識と応用能力を有している。
(Eb)社会に対する高い倫理観と地球的視点からの洞察に基づき,物性・デバイス工学,エネルギー工学,システム工学3分野の融合も実践できる能力を兼ね備えている。

情報・メディア工学専攻

(Ia) 情報,通信,メディア工学に関する高度な専門知識と関連する幅広い基礎知識,およびその応用能力を有している。
(Ib) 情報に関する実世界の多様な問題に対する理解力・応用力・解決能力を有している。
(Ic) 自律的学習力,自己表現力,相互理解力,討論力と国際性を有している。
(Id) 高度情報技術者としての社会・組織に対する倫理観および責任を自覚し,新しい技術の開発により社会の発展に貢献する意欲と実現力を有している。

建築建設工学専攻

(Aa)建築建設工学関連分野における高度な専門知識,および自然科学的・芸術的・技術的・人文社会学能力を有している。
(Ab) 高度な技術を自ら解決・発展・展開できる専門的能力とコミュニケーション能力を有している。
(Ac) 建築建設工学技術者の役割を考え,地域や環境に対する広い視野を持ち,社会に貢献できる倫理観を有している。

材料開発工学専攻

(Sa) 材料開発分野に関する高度な専門知識と問題解決への応用能力を有している。
(Sb) 主体的かつ継続的に学習し,研究課題に取り組む積極性を有している。
(Sc) 論理的思考能力と経験的直感力に基づき,自らの考えを国際社会に対して表現・伝達できるコミュニケーション能力を有している。
(Sd) 高度専門技術者として社会に対する責任を自覚し,自然環境への影響を考慮しながら,人間社会の発展に貢献する力を有している。

生物応用化学専攻

(Ba) 化学・生命科学・工学を連結する課題探求型技術者,研究者として育っていくための礎となる,問題発見・解決能力,自己学習力,創造性,柔軟な思考性,及びコミュニケーション能力を有している。
(Bb) 技術者としての倫理観や社会的責任感を持ち,持続が可能で豊かな社会の実現を目指す使命感を持っている。
(Bc) 専門以外の分野についても広い素養とグローバルな視点を有している。

物理工学専攻

(Pa) 高度な専門知識,技術を自主的・継続的に学ぶことができる。
(Pb) 常に物事の本質を見極めようとする姿勢を持っている。
(Pc) 問題を幅広い視野で多角的に捉えることができ,技術者としての倫理観に基づいて判断できる能力を持っている。
(Pd) 幅広い基礎知識と高度な専門知識を用いて問題を解決し,新しいものやシステムを創り活用できる。
(Pe) 国際社会において自らの考えを説明し,議論できるコミュニケーション能力を持っている。

知能システム工学専攻

(Ha) 高度な専門的知識・能力,および専門に関連した幅広い基礎知識を有している。
(Hb) 創造力,自己学習力,問題発見・解決能力,およびコミュニケーション能力を有している。(Hc) 高度専門技術者として守るべき倫理や負うべき社会的責任を自覚し,国際的で幅広い視野をもって社会の発展に貢献できる。

繊維先端工学専攻

(Fa) 繊維の化学・生物学的および物理的特徴を理解している。
(Fb) 確固とした専門知識と倫理観を備え,繊維系・化学系企業や研究機関をはじめ,繊維材料を利用する様々な業種の研究開発に積極的に対応できる。
(Fc) 問題解決のための専門知識を自ら継続的に修得する能力を持つ。
(Fd) 専門分野について,国内外の公的な場で表現し議論することが可能なコミュニケーション能力を持つ。

原子力・エネルギー安全工学専攻

 (Na) 原子力の安全と共生を実現するための高度専門技術者として相応しい,高度な専門知識と自ら課題を解決する能力を有している。
(Nb) 原子力関連分野の課題に対して,グローバルな視点から考え,議論する能力を有している。
(Nc) 幅広い視野と高い倫理観を有している。

工学研究科博士前期課程 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
2020年4月以降入学者対象

工学研究科では,確かな専門知識と高い倫理観を有し,自然や環境と調和した人間社会の豊かな発展に貢献できる高度専門技術者や研究者等を養成します。
博士前期課程では,スペシャリストとしての専門の深い知識と同時に,分野の多様性を理解し,他者との協調の下,異分野との融合・学際領域の推進も見据えることができるジェネラリストとしての幅広い知識・俯瞰的視野を持つ人材の養成を行います。
以上の人材養成目的を踏まえ,博士前期課程では,学生が知識・能力等に係る以下の目標に到達しているとともにそれらを課題の解決において活用・実践できることを学位授与の方針とします。この方針は,国際総合工学特別コース(GEPIS)にも適用します。

  1. 高度な専門的知識・能力,および専門に関連した幅広い基礎知識・俯瞰的視野を有している。
  2. 創造力,自己学修力,問題発見・解決能力,およびコミュニケーション能力を有している。
  3. 高度専門技術者として守るべき倫理や負うべき社会的責任を自覚し,幅広い視野をもって社会の発展に貢献できる。

各専攻では,修了後の進路等社会のニーズを踏まえ,上記(a)は以下の通りとします。

産業創成工学専攻

(IIa) ものづくりの基礎となる素材開発とその評価・加工法,化学・バイオテクノロジー分野の産業創造と技術経営に関する幅広い知識・視野,およびその中の特定の分野に係る深い専門知識・技術・能力等を有している。

安全社会基盤工学専攻

(SSa) 業界を横断した社会インフラとエネルギー,リスク管理,安全設計に関する幅広い知識・視野,およびその中の特定の分野に係る深い専門知識・技術・能力等を有している。

知識社会基礎工学専攻

(KSa) ヒューマンサイエンス,情報化社会の基盤技術,AI・IoT のソフト・ハードウェア,データサイエンスに関する幅広い知識・視野,およびその中の特定の分野に係る深い専門知識・技術・能力等を有している。

工学研究科博士後期課程 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

工学研究科では,確かな専門知識と高い倫理観を有し,自然や環境と調和した人間社会の豊かな発展に貢献できる高度専門技術者や研究者等を養成します。
博士後期課程では,高度な専門的知識・能力や研究開発能力に加え,工学の広い分野で活躍できる総合力と資質を有する高度専門技術者や研究者の養成を行います。
以上の人材養成目的を踏まえ,博士後期課程では,学生が知識・能力等に係る以下の目標に到達しているとともにそれらを課題の解決において活用・実践できることを学位授与の方針とします。この方針は,国際技術研究者育成コース(GEP for R&D)にも適用します。

  1. 物理工学,分子工学,生物応用化学,機械・システム工学,知識情報システム,電子システム,建築都市システム,繊維先端工学,原子力・エネルギー安全工学のいずれかの分野において中核的人材として活躍するために必要となる高度な専門的知識・能力,専門に関連した幅広い基礎知識,ならびに研究推進に必要な技法を有している。
  2. 広い視野に立って課題を設定し,研究開発活動を独力で推進できる能力を有している。
  3. 高度専門技術者・研究者として守るべき倫理や負うべき社会的責任を自覚し,幅広い視野をもって社会の発展をリードできる。

工学部 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
2020年4月以降入学者対象

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に沿って受け入れた学生に対し,学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた人材を養成するため,本学の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)および以下に述べる工学部の方針に従って,教育課程を編成するとともに,教育を実施し,学修成果を厳格に評価します。(特に関係が深いディプロマ・ポリシーの項目を[DP (a),(b)]のように表記します。)

(1) 教育課程の編成方針

  1. 教養教育を担う「共通教育科目」と専門教育を担う「専門教育科目」を開設します。教育課程全体を通してディプロマ・ポリシーに掲げた能力等の達成が担保されるよう,各科目の目的や到達目標を設定します。科目の配置(共通教育及び専門教育の配分,必修科目・選択科目の配当等)は,「共通教育の教育課程編成の方針」および以下の方針のもと,順次的・体系的に行います。
  2. 「産業実践力」と「国際教養力」に関する科目群を,共通教育科目と専門教育科目を横断して配置します。
    [DP (c),(d), (e)]
  3. 専門教育科目は「専門基礎科目」と「専門科目」により編成し,低学年時に専門にかかわる幅広い基礎知識を身に付け,学年が進むにつれてより専門性の高い知識を身に付けられるよう配置します。
  4. 専門基礎科目は,工学全般の基礎として必須である数学や物理等の科目,産業実践力に関する科目,国際教養力に関する科目等で構成します。
    [DP (a),(c)]
  5. 専門科目は「学科専門科目」,「コース専門科目」,「卒業研究」により構成します。学科専門科目は,各学科の基礎(すなわち,工学のオーソドックスな一つの分野の基礎)の学修を通して確かな専門基盤知識・技能を修得させることを主な目的とします。コース専門科目は,複数のコースをもつ学科に配置され,コースで必要な専門知識・技術および各分野の技術の展開力の基本を修得させることを目的とします。
    [DP (b),(c)]
  6. 4年次に卒業研究を通年の必修科目として配置します。
    [DP (b), (c), (d), (e)]
  7. 初年次教育を充実させるための必修科目を,共通教育及び専門科目に配置し,大学での主体的な学びに必要となる基礎的な素養等を修得させるとともに,将来のキャリアについて考える手がかりを与え,学びの動機づけを強化します。
    [DP (d),(e)]
  8. 産業実践力の中でも特に技術経営等についてより深く体系的に学びたい学生のために,副専攻を設けます。
    [DP (c), (e)]
  9. 原子力,放射線,環境,エネルギー,技術者倫理を体系的に学ぶことができる副専攻を設けます。
     [DP (b), (c)]
  10. 知識・技能を総合して問題を解決する実践的能力を育成するため,創成教育の科目を設けます。
    [DP (d),(e)]
  11. 教育課程の水準は,高等学校等までの学修内容,学術の発展動向,学生や社会の意見・ニーズなどを踏まえて設定します。

(2) 教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 教育効果を高めるため,授業は,その内容や目的に応じ,講義,演習,実験・実習あるいはこれらの併用により行います。
  2. 実験・実習,演習等では少人数教育を行います。
  3. 主体的に学ぶ力を高めるため,実験・実習,演習ではアクティブ・ラーニングを前提とした授業を実施するとともに,講義にも積極的にアクティブ・ラーニングを取り入れます。また,PBL型の授業,学科横断型の授業,学修支援システムを活用した授業,インターンシップ,海外への短期留学など,多様な形態の授業を実施し,講義だけでは涵養することが難しい能力・技能等の育成を図ります。
  4. 卒業研究では,専門知識を活用して課題を解決することを通し,総合的な実践力を育成します。卒業研究の指導と評価にあたり,主指導教員のほかに副指導教員を定めます。
  5. 学修時間が確保されるよう,準備学修等の指示,組織的な履修指導,履修登録できる上限単位数の設定,オフィス・アワーの設定,自習室の設置などを行います。
  6. 全ての授業において,授業の目標,授業内容,授業方法,到達目標,評価の方法,教科書・参考書,準備学修等の具体的な指示等が記載されたシラバスを作成し,学生に周知するとともに,シラバスに従って授業を実施します。
  7. 組織的なFD活動により,教育方法の継続的な改善に取り組みます。

(3) 学修成果の評価の方針

  1. 授業科目(卒業研究を含む)の成績評価は「福井大学における多面的かつ厳格な成績評価のガイドライン」に沿って行います。科目ごとの詳細はシラバスに記載します。
  2. 卒業研究については,ディプロマ・ポリシー等の観点から,複数の教員により評価を行います。
  3. ディプロマ・ポリシーに掲げた能力等の評価は,授業科目(卒業研究を含む)の成績評価を総合化して行います。

教育課程のうち主に専門にかかわる部分について,各学科の方針は以下の通りです。

機械・システム工学科

 機械・システム工学科では,専門的知識・能力に加え,幅広い知識と異分野コミュニケーション能力を有する高度専門技術者を育成するため,以下の方針に沿って教育を行います。

(1)教育課程の編成方針

  1. 1年次前期に,学科共通の専門導入・基礎科目を中心に配置します。
    [DP (MSa)]
  2. 1~2年次に,工学全般の基礎である数学や自然科学,情報技術の科目を配置します。
    [DP (MSa)]
  3. 1年次後期には,仮配属として学生は機械工学コース,ロボティクスコース,原子力安全工学コースのいずれかに所属します。
    [DP (MSb)]
  4. 1年次後期~2年次に,機械系,知能システム系,原子力系いずれかの基礎となる専門的な科目を中心に配置します。
    [DP (MSa), (MSb)]
  5. 2~3年次に,専門に係る技術等の修得を目的とする実験・演習科目を配置します。[DP (MSb),(MSc)]
  6. 3年次には,本配属として学生は所属コースを決定します。                      [DP (MSb)]
  7. 3年次に,コースごとにそれぞれ機械工学,ロボティクス,原子力安全工学の高度な専門知識に係る科目を配置します。 
    [DP (MSb)]
  8. 4年次において卒業研究に専念できるように,卒業研究に着手するための要件を設け,これを満たした学生だけが卒業研究を実施できます。
    [DP (MSb)]
  9. 技術者がグローバルに活躍する上で必要な技術英語に係る科目を4年次に配置します。
    [DP (MSd)]

(2)教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 学科専門科目では,確かな専門性とともに,広い視野と柔軟な思考力の涵養を図ります。
  2. 専門技術者として身に付けるべき技能については,演習科目や実験・実習科目を設け,講義科目と演習・実験・実習科目の連携により,専門的技能の定着を図ります。
  3. 実験科目では,自主的な取り組みのもと,講義科目で学んだ専門技術を段階的に修得させ,更に,少人数でテーマに取組ませることにより,計画性,協調性,コミュニケーション能力,問題解決能力の涵養を図ります。
  4. 専門知識の幅を広げられるよう,学生が所属するコースの専門科目だけでなく,他コースの専門科目を履修できるようにします。

電気電子情報工学科

(1) 教育課程の編成方針

  1. 1年次には,工学全般の基礎である数学や物理の科目,電気・電子系と情報系に共通な基礎知識などを扱う科目を中心に配置します。
    [DP (EIa)]
  2. 2年次には,電気・電子系あるいは情報系の基礎となるやや専門的な科目を中心に配置します。
    [DP (EIa), (EIb)]
  3. 3年次には,「電子物性工学コース」「電気通信システム工学コース」「情報工学コース」の高度な専門知識に係る科目を中心に配置します。
    [DP (EIb)]
  4. 2~3年次には,専門に係る技術等の修得を目的とする実験科目を配置します。
    [DP (EIb),(EIc)]
  5. 技術者がグローバルに活躍する上で必要な技術英語に係る科目を配置します。
    [DP (EId)]

(2)教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 講義のみで十分な理解を得ることが難しい場合には,演習科目を設ける,講義と演習を組み合わせた授業を行う,講義科目と実験科目の連携を行う,などの工夫により内容の定着を図ります。
  2. 実験科目では,学修内容を踏まえたテーマ設定により,専門に係る技術等を段階的に修得させます。また,一定の期間をかけて少人数でテーマに取組ませることにより,計画性,協調性,コミュニケーション能力などの涵養も図ります。
  3. プログラミング教育においては,教育用電子計算機システムを活用した実習を行い,質の高いプログラミング能力を育成します。また,同システムを授業時間外にも利用できる環境を整備し,主体的な学修を促します。
  4. 専門知識の幅を広げられるよう,コースでの科目の履修がおろそかにならない範囲で,コースをまたぐ履修が行えるようにします。

建築・都市環境工学科

(1)教育課程の編成方針

  1. 1~2年次には,工学全般の基礎である数学や物理,情報の科目,建築学と都市環境工学に共通な基礎知識などを扱う科目を中心に配置します。 
    [DP (ACa)]
  2. 1~2年次前期には,建築学と都市環境工学に共通の基礎となるやや専門的な科目を段階的に配置します。 
    [DP (ACb)]
  3. 2年次後期以降には,「建築学コース」「都市環境工学コース」の各コースにおいて高度な専門知識に係る科目を中心に配置します。 
    [DP (ACb)]
  4. 3年次を中心に,専門知識を活用し応用的な総合力や産業実践力を含めた幅広い知識・能力を修得する科目を配置します。 
    [DP (ACb),(ACc), (ACd)]
  5. 技術者に必要な倫理や社会的責任に係る科目を配置します。 
    [DP (ACe)]
  6. 「建築学コース」では卒業要件が建築士の受験要件を満足するようにします。「都市環境工学コース」においても建築士の受験要件が得られるように科目を配置します。
    [DP (ACb)]
  7. 卒業要件がJABEE認定要件を満足するようにします。
    [DP (ACa),(ACb), (ACc), (ACd), (ACe)]

(2)教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 講義のみで十分な理解を得ることが難しい場合には,演習科目や実験・実習科目を設けて講義科目との連携を図ったり,講義と演習または実験・実習を組み合わせた授業を行ったりすることにより内容の定着を図ります。
  2. 少人数のグループ学修を行う科目を設置することにより,学生同士が共同して専門的な課題を解決できるようにします。
  3. 各コースに分かれた後も両コース共通で受講可能な科目を設置することにより,学生が柔軟な学修計画を立てられるよう,内容や時間割等に配慮します。

物質・生命化学科

(1)教育課程の編成方針

  1. 1,2年次を中心に,工学の基礎的要素を身に付けるため,数学や物理の科目など「工学基礎を学ぶ」科目を配置します。
    [DP (MBa)]
  2. 1,2年次を中心に,物質・生命化学の基礎を身に付けるため,「物質・生命化学の基礎を学ぶ」科目を配置します。
    [DP (MBa), (MBb)]
  3. 2,3年次には,「繊維・機能性材料工学コース」「物質化学コース」「バイオ・応用医工学コース」の高度な専門知識に関する「専門知識を学ぶ」科目および「コースを越えて幅広く専門知識を学ぶ」科目を配置します。
    [DP (MBb)]
  4. 卒業研究を開始するまでに,専門に係る技術等の修得を目的とする「実験の手法を学ぶ」科目をバランス良く配置します。
    [DP (Bb),(MBc),(MBd)]
  5. 卒業研究を開始するまでに,実践的な能力の習得を目的とする「産業実践力を身に付ける」科目をバランス良く配置します。
    [DP (MBc),(MBd),(MBe)]
  6. グローバルに活躍できる人材育成を行うために「国際教養力を高める」科目を配置します。
    [DP (MBd)]

(2)教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 講義のみの授業で十分な理解を得ることが難しい場合には,対応する演習科目を設ける,授業中に演習を取り入れる,対応する実験科目と連携する,などの工夫により内容の定着を図ります。
  2. 実験科目では,学修内容を踏まえたテーマ設定により,専門に係る技術等を段階的に修得させます。また,一定の期間をかけて少人数でテーマに取組ませることにより,計画性,協調性,コミュニケーション能力などの涵養も図ります。
  3. 学生の個性に応じ,コースにかかわらず学科内の科目を履修できるようにします。

応用物理学科

(1)教育課程の編成方針

  1. 1年次には,カリキュラムを概観する科目,その学修に必要な数学,物理の基礎的科目を中心に配置します。
    [DP(APa), (APe)]
  2. 2年次には,物理学におけるやや専門的な科目として,物理・数学・計算機科学の科目を中心に配置します。
    [DP (APa), (APb)]
  3. 3年次には,理工学の確固たる基礎知識とそれらを応用する能力を身に付けるため,応用物理学分野を含む,専門的な物理系科目を中心に配置します。
    [DP (APa), (APb), (APc), (APd)]
  4. 2~3年次には,物理学を中心とした理工学の理解を深めるため,物理・化学系科目を配置します。
    [DP (APb), (APc)]
  5. 1~3年次には,実験に必要な技術や,レポート作成に必要な,文章,図表,数式,プログラム等で表現する能力の修得,課題を計画的に進め,期限内にまとめる能力を育成することを目的とする実験科目を配置します。
    [DP (APa), (APb), (APc), (APd)]
  6. 技術者がグローバルに活躍する上で必要な技術英語に係る科目を配置します。
     [DP (APd)]

(2)教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 数学系・物理系・計算機科学系の基礎的科目には,演習科目を設け,さらに講義と演習を発展的に組み合わせた講究授業を行うなどの工夫により,定着を図ります。
  2. 実験科目では,自然科学の基礎的実験から,先端工学まで,学修内容を踏まえたテーマ設定により,理工学に係る実験技術等を段階的に修得させます。また,一定の期間をかけて少人数チームでテーマに取組ませることにより,計画性,協調性,コミュニケーション能力などの涵養も図ります。
  3. コンピュータサイエンスと,数学・物理学・化学との融合を目指し、計算機科学系科目では,講義科目と実験科目の連携を行います。
  4. 実験科目と卒業研究では,自主的・継続的に学修し,文献等を調べながら,自ら知識を獲得できる能力を育成します。

工学研究科博士前期課程 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 
 2020年3月以前入学者対象

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に沿って受け入れた学生に対し,学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた人材養成の目標を達成するため,本学大学院の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)および以下に述べる工学研究科博士前期課程の方針に従って,教育課程の編成,教育の実施,学修成果の評価を行います。(特に関係が深いディプロマ・ポリシーの項目を[DP (a)]のように表記します。)この方針は,国際総合工学特別コース(GEPIS)にも適用します。

(1) 教育課程の編成方針

以下の方針のもと,科目の順次的・体系的な配置,必修科目・選択科目の配当,講義科目と実践的科目の配分を行います。教育課程の水準は,学部の教育課程の水準,学術の発展動向,学生や社会の意見・ニーズなどを踏まえて設定します。

  1. 高度な専門的知識・能力,および専門に関連した幅広い基礎知識を身に付けさせる。
    [DP (a)]
  2. 専門分野を超えた幅広い視野を獲得させる。
    [DP (a)]                     
  3. 国際的にも通用する技術者として必要な,創造力,自己学修力,問題発見・解決能力,およびコミュニケーション能力を併せた総合力を身に付けさせる。
    [DP (b)]
  4. 技術者として守るべき倫理や負うべき社会的責任を自覚させる。
    [DP (c)]

(2) 教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 学生ごとに主指導教員と2名以上の副指導教員からなるPOS コミティ(Program of Study Committee)を構築します。POS コミティは学生の履修指導ならびに修士論文研究に係る指導を行います。
  2. 学生は,自分の特性,志向,専門分野の特性などに応じた学修計画を入学時に作成します。2年次のはじめにPOS コミティと面談し,学修,研究状況を把握するとともに,必要に応じて履修計画,研究計画の見直しを行います。
  3. 修得すべき30単位のうち,10単位以上は,必修科目(特別演習及び実験等)および実践的科目以外から修得するものとします。
  4. 全ての授業において,授業の目標,授業内容,授業方法,到達目標,成績評価の方法,教科書・参考書,準備学修等の具体的な指示等が記載されたシラバスを作成し,学生に周知するとともに,シラバスに従って授業を実施します。
  5. 組織的なFD活動により,教育方法の継続的な改善に取り組みます。
  6. 修士論文研究に係る指導の方法は,各専攻の「研究指導計画」に定めます。

(3)学修成果の評価の方針

  1. 成績評価は「福井大学における多面的かつ厳格な成績評価のガイドライン」に沿って行います。科目ごとの詳細はシラバスに記載します。
  2. 修士論文は,ディプロマ・ポリシーに基づいて審査します。審査の基準等は,「福井大学修士(工学)学位授与に関する取扱要項」に定めます。

さらに,各専攻では,教育課程編成や実施に関して以下の方針を設けています。

機械工学専攻

  1. 機械工学分野等の高度な専門知識を有し,それらを諸問題の設定・解決に応用できる能力を身に付けさせる。                                           [DP (Ma)]
  2. 物事に対して論理的に考え,展開し,表現できる能力を身に付けさせる。
    [DP (Ma)]
  3. 幅広い知識と能力を持って地域と国際社会で活躍できる能力を身に付けさせる。
    [DP (Mb)]
  4. 人類の持続可能な発展に寄与できる科学技術の在り方を,科学技術と社会との関連を基軸にグローバルな視点で考える能力を身に付けさせる。
    [DP (Mc)]

電気・電子工学専攻

  1. 電子物性,エネルギー工学,システム工学などの電気・電子工学の幅広い基礎知識と高度な専門知識を
    身に付けさせる。
    [DP(Ea,Eb)]
  2. 各自が目指す専門分野の問題解決能力を身に付けさせる。
    [DP(Ea,Eb)]
  3. プレゼンテーション能力や高い倫理観を身に付けさせる。
    [DP(Eb)]

情報・メディア工学専攻

  1. 情報,通信,メディア工学の高度な専門知識とその応用能力,および関連した幅広い基礎知識を身に付けさせる。
    [DP (Ia)]
  2. 実世界における工学的問題を発見し,そのモデル化を行い解決するための幅広い工学的視野と創造性を身に付けさせる。
    [DP (Ib)]
  3. 自主的かつ継続的な学習力,自己表現力,相互理解力,討論力および英語力など国際的にも通用する情報技術者として必要な資質を身に付けさせる。
    [DP (Ic)]
  4. 情報技術者としての社会・組織に対する倫理観及び責任感を涵養するとともに,新しい情報技術の開発に主体的に関わることで,社会の発展に貢献する意欲とその実現力を身に付けさせる。
    [DP (Id)]

建築建設工学専攻

  1. 建築建設工学関連分野における高度な専門知識や能力,および自然科学的・芸術的・技術的・人文社会学的基礎知識を身に付けさせる。
    [DP (Aa)]
  2. 高度な技術を自ら解決・発展・展開できる専門的能力とコミュニケーション能力を身に付けさせる。
    [DP (Ab)]
  3. 建築建設工学技術者の役割を考え,地域や環境に対する広い視野を持ち,社会に貢献できる倫理観を身に付けさせる。
    [DP (Ac)]

材料開発工学専攻

  1. 材料開発分野に関する高度な専門知識と,問題の早期解決への応用能力を身に付けさせる。
    [DP (Sa)]
  2. 主体的かつ継続的に学習し,研究課題に取り組む能力を身に付けさせる。
    [DP (Sb)]
  3. 論理的思考能力と経験的直感力に基づき,自らの考えを国際社会に対して表現・伝達できるコミュニケーション能力を身に付けさせる。
    [DP (Sc)]
  4. 高度専門技術者として社会に対する責任を自覚し,社会や自然環境への影響を考慮しながら,材料開発を推進する能力を身に付けさせる。
    [DP (Sd)]

生物応用化学専攻

  1. 化学,生命科学,工学に関わる分野の知識をより深くさせる。
    [DP (Ba)]
  2. ある特定の分野に関するより高度な知識を持たせる。この分野の知識を幹とし,他の分野の知識を枝となるよう結びつけて,広い視点から判断を下す能力を持たせる。
    [DP (Ba)]
  3. 自分と異なる判断の体系を持つ者に対する理解を深め,化学・生命科学・工学を連結する技術者としての倫理観や社会的責任について,具体的に理解させる。
    [DP (Bb)]
  4. 技術者として,持続が可能で豊かな社会の実現を目指す使命感を持たせる。
    [DP (Bb)]
  5. 国際的にも通用するように,グローバルな視点を身に付けさせる。
    [DP (Bc)]

物理工学専攻

  1. 自ら学んだ内容を自己評価し,更に高度な課題を学習する能力を育成する。
    [DP (Pa)]
  2. 高度で複雑な問題においても常にその本質を考える能力を育成する。
    [DP (Pb)]
  3. 学んだ知識を総合して幅広い視点で多角的に物事を捉え,技術者としての倫理に基づいて判断できる能力を育成する。
    [DP (Pc)]
  4. 物理学や数学の高度な知識を用い,長期的な視点で計画を立て問題を解決する能力を育成する。
    [DP (Pd)]
  5. 自らの考えを日本語や英語で説明し,議論できるコミュニケーション能力を育成する。
    [DP (Pe)]

知能システム工学専攻

  1. 高度な専門的知識・能力,および専門に関連した幅広い基礎知識を身に付けさせる。
    [DP (Ha)]
    専門分野を超えた幅広い視野を獲得させる。
    [DP (Ha)]
  2. 国際的にも通用する技術者として必要な,創造力,自己学習力,問題発見・解決能力,およびコミュニケーション能力を併せた総合力を身に付けさせる。                      [DP (Hb)]
  3. 技術者として守るべき倫理や負うべき社会的責任を自覚させる。
    [DP (Hc)]

繊維先端工学専攻

  1. 繊維科学の基礎から応用までの専門教育に加えて,繊維産業に対する理解を深める。
    [DP (Fa)]
  2. 繊維を核とした各分野における先端知識を習得し,「繊維マインド」を持った人材を育成する。
    [DP (Fb)]
  3. 世の中の未知の課題を発見し,繊維を核とした知識を駆使してその課題を解決する能力を育成する。
    [DP (Fc)]
  4. 専門分野での国際的なコミュニケーション能力を育成する。
    [DP (Fd)]

原子力・エネルギー安全工学専攻

  1. 原子力の安全と共生をキーワードとして,原子力工学,安全工学やエネルギー工学について,高度な専門的知識を修得させる。
    [DP (Na)]
  2. 原子力を取り巻く諸課題に関して,グローバルな視点で考える能力を身に付けさせる。
    [DP (Nb)]
  3. 幅広い視野と高い倫理観を持って,柔軟な思考から議論し自ら行動して解決に至る能力,論理的な思考能力と豊かな自己表現能力を育成する。                           [DP (Nc)]

(新)工学研究科博士前期課程 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
2020年4月以降入学者対象

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に沿って受け入れた学生に対し,学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた人材養成の目標を達成するため,本学大学院の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)および以下に述べる工学研究科博士前期課程の方針に従って,教育課程の編成,教育の実施,学修成果の評価を行います。(特に関係が深いディプロマ・ポリシーの項目を[DP (a)]のように表記します。)この方針は,国際総合工学特別コース(GEPIS)にも適用します。

(1) 教育課程の編成方針

  1. 高度な専門的知識・能力,及び専門に関連した幅広い基礎知識を身に付けさせるため,各専攻に,問題解決能力・プレゼンテーション能力・研究能力等の育成を目的にした「専攻共通科目」ならびに専攻ごとの産業分野に対応した4つの「専攻科目群」を設け,順次的・体系的に科目を配置します。また,各専攻科目群の中には概論科目を設けます。
    [DP (a)]
  2. 専門分野を超えた幅広い視野を獲得させるため,全専攻に共通な科目群(研究科共通科目群)を設けます。
    [DP (b),(c)]                     
  3.  国際的にも通用する技術者として必要な,創造力,自己学修力,問題発見・解決能力,およびコミュニケーション能力を併せた総合力を身に付けさせるため,研究科共通科目群の中に課題解決型の科目,実践的な英語教育を行う科目,海外への短期留学に係る科目などを設けます。
    [DP (b)]                 
  4. 技術者として守るべき倫理や負うべき社会的責任を自覚させるため,研究科共通科目群の中にインターンシップに係る科目を設けるほか,産業創成工学専攻の技術経営に係る体系的な科目群を他専攻の学生にも開放します。
    [DP (c)]
  5. 教育課程の水準は,学部の教育課程の水準,学術の発展動向,学生や社会の意見・ニーズなどを踏まえて設定します。

(2) 教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 学生ごとに主指導教員と2名以上の副指導教員からなるPOS コミティ(Program of Study Committee)を構築します。POS コミティは学生の履修指導ならびに修士論文研究に係る指導を行います。
  2. 各専攻の教育課程の中に複数のコース(スペシャリストとして深い専門知識を得るための履修区分)を設け,各学生はいずれかのコースで学修を行います。
  3. 幅広い知識・俯瞰的視野を重視する分野横断型教育のもと,学生がジェネラリストとスペシャリストの両方の資質・能力を修得できるよう,科目履修に関して以下の要件や制約を設けます。
    1) ジェネラリストとしての資質・能力が育成されるよう,自専攻(学生が所属する専攻)が持つ4つの科目群の各々から1科目計8単位を修得する。
    2) 特定の分野のスペシャリストとしての資質・能力が育成されるよう,コースが定める2つの「重点科目群」から3科目計6単位を修得する。
    3) ジェネラリスト志向,スペシャリスト志向,あるいはコミュニケーション力・実践力の重視など,各自のキャリア展望に応じて重視する資質をさらに伸長できるよう,研究科共通科目,自専攻科目,他専攻科目(必修以外)を必要に応じて履修する。
    4) 学修時間が確保されるよう,履修登録できる単位数には上限を設ける。
  4. 全ての授業において,授業の目標,授業内容,授業方法,到達目標,成績評価の方法,教科書・参考書,準備学修等の具体的な指示等が記載されたシラバスを作成し,学生に周知するとともに,シラバスに従って授業を実施します。
  5. 組織的なFD活動により,教育方法の継続的な改善に取り組みます。
  6. 修士論文研究に係る指導の方法は,「福井大学大学院工学研究科博士前期課程 研究指導計画」に定めます。

(3)学修成果の評価の方針

  1. 成績は「福井大学における多面的かつ厳格な成績評価のガイドライン」に沿って評価します。科目ごとの詳細はシラバスに記載します。
  2. 修士論文は,ディプロマ・ポリシーに基づいて審査します。審査の基準等は,「福井大学修士(工学)学位授与に関する取扱要項」に定めます。

さらに,各専攻では以下の方針を設けます。

産業創成工学専攻

以下は,産業創成工学専攻のディプロマ・ポリシーの項目(IIa)の達成に関わる方針です。

(1) 教育課程の編成方針

専攻科目を,「MOT科目群」,「材料・加工工学科目群」,「サステイナブルケミストリー科目群」,「ライフサイエンス科目群」により構成します。

(2) 教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 履修区分として,「繊維先端工学コース」,「材料開発工学コース」,「生物応用化学コース」,「創造生産工学コース」,「経営技術革新工学コース」を設け,学生はいずれかのコースで学修を行います。
  2. 各コースでは以下のように重点科目群を指定し,深い専門性を涵養します。
    繊維先端工学コース: 材料・加工工学科目群,ライフサイエンス科目群
    材料開発工学コース:サステイナブルケミストリー科目群,材料・加工工学科目群
    生物応用化学コース:ライフサイエンス科目群,サステイナブルケミストリー科目群
    創造生産工学コース:材料・加工工学科目群,MOT 科目群
    経営技術革新工学コース:MOT 科目群とサステイナブルケミストリー科目群

安全社会基盤工学専攻

以下は,安全社会基盤工学専攻のディプロマ・ポリシーの項目(SSa)の達成に関わる方針です。

(1) 教育課程の編成方針

専攻科目を,「社会インフラ科目群」,「エネルギー科目群」,「リスクマネージメント科目群」,「安全設計科目群」により構成します。

(2) 教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 履修区分として,「機械設計工学コース」,「電気システム工学コース」,「建築土木環境工学コース」,「原子力安全工学コース」を設け,学生はいずれかのコースで学修を行います。
  2. 各コースでは以下のように重点科目群を指定し,深い専門性を涵養します。
    機械設計工学コース: 安全設計科目群,エネルギー科目群
    電気システム工学コース:エネルギー科目群,社会インフラ科目群
    建築土木環境工学コース:社会インフラ科目群,安全設計科目群
    原子力安全工学コース:リスクマネージメント科目群,エネルギー科目群

知識社会基礎工学専攻

以下は,知識社会基礎工学専攻のディプロマ・ポリシーの項目(KSa)の達成に関わる方針です。※DPとの対応

(1) 教育課程の編成方針

専攻科目を,「ヒューマンサイエンス科目群」,「コンピュータサイエンス科目群」,「物性物理科目群」,「数理情報科学科目群」により構成します。

(2) 教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 履修区分として,「知能システム科学コース」,「情報工学コース」,「数理科学コース」,「電子物性コース」,「電磁工学コース」を設け,学生はいずれかのコースで学修を行います。
  2. 各コースでは以下のように重点科目群を指定し,深い専門性を涵養します。
    知能システム科学コース: ヒューマンサイエンス科目群,数理情報科学科目群
    情報工学コース: コンピュータサイエンス科目群,ヒューマンサイエンス科目群
    数理科学コース: 数理情報科学科目群,コンピュータサイエンス科目群
    電子物性コース: 物性物理科目群,数理情報科学科目群
    電磁工学コース: 物性物理科目群,コンピュータサイエンス科目群

工学研究科博士後期課程 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に沿って受け入れた学生に対し,学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた人材養成の目標を達成するため,本学大学院の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)および以下に述べる工学研究科博士後期課程の方針に従って,教育課程の編成,教育の実施,学修成果の評価を行います。(特に関係が深いディプロマ・ポリシーの項目を[DP (a)]のように表記します。)

(1) 教育課程の編成方針

高度な専門的知識・能力に加え,学際性・実践力を育成するため,科目を,専門能力の育成を目的とする主専門系と,学際性・実践力の育成を目的とする副専門系に分け,以下のように編成します。教育課程の水準は,博士前期課程の教育課程の水準,学術の発展動向,学生や社会の意見・ニーズなどを踏まえて設定します。

  1. 高度な専門的知識・能力、および専門に関連した幅広い基礎知識を身に付けさせるため,主専門系の中に専門科目と主専門研究ゼミナールを設け,順次的・体系的に配置します。
    [DP (a)]
  2. 国際的にも活躍できる技術者・研究者として必要な、実践的研究開発能力、幅広い視野、倫理、社会的責任感を身に付けさせるため,副専門系の中に実践科目,討論形式科目,副専門研究ゼミナールを配置します。
    [DP (b),(c)]                     
  3. 高い専門性を有しながらも工学の広い分野に柔軟に対応し活躍できる能力を身に付けさせるため,副専門系の中に,他分野の専門科目を配置します。
    [DP (b),(c)]

(2) 教育課程における教育・学修方法に関する方針

  1. 学生ごとに主指導教員と2名以上の副指導教員を定めます。主・副指導教員は学生の履修指導ならびに博士論文研究に係る指導を行います。
  2. 8単位以上を主専門系から,8単位以上を副専門系から修得するものとします。
  3. 全ての授業において,授業の目標,授業内容,授業方法,到達目標,成績評価の方法,教科書・参考書,準備学修等の具体的な指示等が記載されたシラバスを作成し,学生に周知するとともに,シラバスに従って授業を実施します。
  4. 組織的なFD活動により,教育方法の継続的な改善に取り組みます。
  5. 博士論文研究に係る指導計画は,指導教員が学生と協議の上作成する「研究指導計画書」に定めます。

(3)学修成果の評価の方針

  1. 成績評価は「福井大学における多面的かつ厳格な成績評価のガイドライン」に沿って行います。科目ごとの詳細はシラバスに記載します。
  2. 博士論文は,ディプロマ・ポリシーに基づいて審査します。審査の基準等は,「福井大学博士(工学)学位授与に関する取扱要項」に定めます。

国際技術研究者育成コース(GEP for R&D)については,導入教育を目的とした「オープンエデュケーション科目」(必修)を設けるほかは,以上の方針と同じです。

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