18年度 優秀教員のことば

授業を楽しむ「怪・解・快」 — 材料開発工学科 飛田 英孝

私の授業の基本は、教わる側も教える側も共に授業を楽しむということです。毎年、さまざまな授業スタイルを試していますので、以下に記したことは、あくまで今年度の「実況中継」であることをご了承下さい。

授業を始める前に

何事も楽しむためには、それなりの準備と心構えが必要だと思います。第1回目の授業で授業の目的やスケジュール等の授業内容や学習教育目標の他、「受講についての注意事項」を記載した書面を配布し、学生と受講態度について「契約」を交わした上で授業を行っています。契約の中には授業中の私語、携帯使用、内職、無断退出の禁止といった、当然の受講マナーについても記載し、十分注意を喚起するようにしています。また、居眠りや遅刻等についても最初にルールを決めておいて、いちいちその場で「お説教」をすることによる時間の浪費と雰囲気の悪化を防止しています。こういった一見厳しいルールは、教員と学生の間には、ある程度の緊張感を保つことが「授業を楽しむ」ために必要だと考えるからです。また、授業開始数分前には教室に入り、学生一人ひとりと前回の授業内容について言葉を交わすなど、学ぶ雰囲気づくりを行っています。

授業の怪・解・快

人間の知的欲求は、不思議・不安・不満を納得・安心・満足に変えるというプロセスにあると言えるでしょう。一般に教科書がおもしろくないのは、「物語性」の欠如にあると考えています。基本的な授業展開としては、【怪】知りたいという欲望を刺激する、【解】自らの力で解ったという実感できるような説明(あるいは演習)を行い、【快】問うて学ぶ学問の快感を体験する、という3段話にまとめるよう心がけています。つむじ曲がりな私は、分かりやすさばかりを重視する昨今の風潮に逆らって、今年度は「教えないで教えること」を一つのテーマとして授業を進めており、大事なことは敢えて「言わない」ということを試行していますが、その成果は未だ「?」です。

現在私は、達成目標の明確ないわゆる理系科目の他、環境問題や技術者倫理といった向上目標を重視した科目の2つのタイプの授業を担当しています。後者においては必ずしも「正解」は明確ではありませんので、さまざまな立場・切り口から考える練習をすることが重要だと考えています。そこで、グループ・ディスカッション、ディベート、ロールプレーなどを取り入れながら、一人でも多くの学生に発言機会を与えたいのですが、現代っ子は目立つことが嫌いで普通に指名したのでは教室の雰囲気も悪くなりがちです。そこで、指名すること自体をゲームにする方法を採用しています。これまでに実施したゲームは「乱数バトル・トーク」、「紙飛行機ディスカッション」、「サイコロウォーク・トーク」などがあります。(毎年、さまざまな方法を考案しています。内容は、その名称からご想像下さい。)「大学生にこんなゲームなんて」と思われる方もあるかもしれませんが、教室の雰囲気はこれで一気に明るくなり、出される発言内容も大きく変わります。ただし、こういった討論系の授業では、必ずしも想定した通りには議論が進まず、教員も現場で「裸」になる覚悟が必要であることを申し添えます。

毎年毎年が試行錯誤の連続ですが、学生も教員も、一人ひとりが授業という「物語」の主人公になれる授業をめざして創意工夫を楽しみたいと思っています。

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