18年度 優秀教員のことば

「日頃の教育に対する工夫,及び今後の教育への抱負」 — 電気・電子工学科 林 泰弘

日頃の教育に対する工夫,及び今後の教育への抱負について,以下に述べさせていただきます。ただし,教育上の小手先の小さな工夫をただ機械的に実施するだけでは,学生が真剣に取り組むようにはならないと感じております。一番大切なのは,教官が学生の将来のために,徹底的に教えるぞという熱意を全面に打ち出し,常に学生と真正面から向き合う教育の姿勢ではないかと自戒しております。大部分の学生が,そういった教官の熱意や気合というものをきちんと受け止めていることは,講義のアンケートの回答から伝わってきます。今の時代,学生の持っている能力ややる気を如何に自発的に引き出すかが教育上重要であると感じております。

(1) 日頃の教育に対する工夫

①受講する学生の意識改革(学習の意義を示し,激励することで,受身から自発へ)への工夫

大学の学習とは,受身の姿勢で知識を得るものではなく,卒業後自分が社会に貢献する上で必要な知識を習得するために自発的に行うものであることを,講義中に頻繁に説明し,講義に対する自発性を促進させるよう心がけています。つまり,担当講義の位置づけと,その講義で得られた知識が卒業後どういった分野で役立つのかを適宜説明し,自分が社会で働く姿のイメージとのつながりを常に意識してもらっています。

②講義の進め方に対する工夫
  1. (説明)+(演習方式)による一講義完結型スタイルの実施

    1回の講義の中で,修得して欲しい知識の説明と,その知識の修得を確認するための演習を実施することにより,毎回の講義のポイントを直ちに学生が抑えやすいように配慮しています。

  2. 演習問題の正解順番の提示による講義への集中力向上と理解が遅い学生の底上げ

    電気・電子工学分野の必修科目である回路理論の講義では,講義の最後に毎回実施する演習において,演習問題の解答が書けた学生から一人ずつ順に教官のところへ答えあわせに持ってきてもらい,全受講者の中で何番目に正解できたのかを告げます。同時に,前回に比べて順位が何番上がった(下がった)のかも告げ,学生の講義に対するモチベーションを高めています。また,正解できるまで何度でも持ってこさせることで,理解が遅い学生は最後まで教室に残るので,それらの学生には理解するまで直接指導し,学習意欲を損なわないように配慮しています。

  3. 技術英語の基礎能力の育成と英語学習の必要性の啓蒙

    講義の中で使用する専門用語の英訳を必ず板書し,技術英語の基礎能力の育成に努めています。専門科目の試験では,専門用語の英訳問題を出題しています。また,講義のたびに,専門用語を英語で表現する必要性を説明し,専門知識を英語で説明することの大切さを理解していただくように配慮しています。

③プレゼンテーション能力の育成に対する工夫

学部学生が卒業研究発表会や,将来の学会発表等で上手に発表するための素地作りとして,3年生の学生実験「単相3線式配電方式」の試問の際に,パワーポイントを用いたプレゼンテーションを実施させています。具体的には,一つの実験項目を一人の学生が責任を持って担当し,その実験の背景・目的・内容・結果・考察を10分で発表してもらい,発表内容に対する試問を行っています。過去に実施した学生による実験のアンケート結果では,この実験の全体評価は高かったようです。

(2) 今後の教育への抱負

今後は,①学部講義を通しての教育,②大学院講義を通しての教育,③研究を通しての教育,の三つを柱として,単なる専門知識の提供だけでなく,リーダシップを発揮できる総合的な人間力の育成にも尽力します。とくに,③の研究開発を基盤とした大学院生の実践教育として,以下の二つに重点を置きます。



最後に,本年度の優秀教員に選ばれたことは,教育熱心な電気・電子工学科の教職員の皆様の近くで,いつも教育のあり方に対する刺激を受けてきたおかげであり,この場を借りて感謝申し上げます。

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