19年度 優秀教員のことば

建築建設工学科 松下 聡

工学部支援室からレポートを提出せよというe-mailが送られてきたのを見て初めて、自分が優秀教員に選ばれたことを知って驚きました。私は日頃から学生たちにどちらかといえば嫌われていると思っていましたので、選ばれるはずがないと思っていました。私が担当している授業の中で、建築建設工学科が工学部の他の学科と最も異なる特徴を持つ分野である建築設計に関する演習について述べていきます。

建築の設計に関する演習は、学部の1年後期と2年前期の設計演習基礎第一、第二、2年後期から3年後期まで、建築設計演習第一、第二、第三と連続する必修科目があります。私は2年前期の設計演習基礎第二から3年後期の建築設計演習第三まで他の先生方と共同で担当しています。2年前期の設計演習基礎第二では、小規模な公衆便所の課題を出し、製図方法と簡単な建物の図面の描き方を学生に練習させています。最初が大切なので、いい加減な図面を提出する学生には描き直しを命じ、不充分なものは必修科目であるにもかかわらず、「不可」の成績をつけています。2年後期からの建築設計演習は徐々に現実の複雑な建築物の設計課題を出し、学生に条件を満足する建築物の設計を行わせる演習を行います。建築物の設計は、デザイン、機能、構造、設備、法規などの条件を満足しながら、事務所ビル、美術館、図書館、スポーツ施設、ホテルなどの空間を創造する仕事です。演習の時間には、学生に設計方法を説明し、実例として、自分が各地で見て撮影してきた写真をプロジェクターで映写して見せています。基本的な設計能力を身に付けさせるため、3年前期までは手作業で図面を描いたり模型を作らせ、コンピューターによる作図は認めていません。このことは私が2000年に在外研究員として米国各地の大学を視察したときも同様の状況でした。1つの課題を約5週間で完成させる計画で進め、中間と最後に講評会を行い、学生に自分の考えを人前で発表させ、他の学生がその作品を見て論評を加える練習もさせています。そこで不充分な点のある図面には大なり小なり修正させています。

大学を卒業して就職すれば、計画案を他人に解りやすく説明したり、図面の修正や描き直しなどは日常茶飯事で、学生のときから経験させておくことも目的にしています。このようなことに興味のある学生にとっては少しは楽しい授業かと思いますが、苦手な学生にとっては、少々苦痛になるかもしれません。

以下は参考資料として、設計演習授業中の建築製図室風景です。


課題と設計方法の説明
参考資料としての実例写真などをプロジェクターで映写


建築図面作成 3年後期
手描きの作業とコンピューターの使用の両方が見られる。


課題作品の発表
各自作品の発表を行い、教員及び学生が質疑応答する。

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