20年度 優秀教員のことば

授業の工夫と抱負 — 生物応用化学専攻 三浦潤一郎

1.はじめに

以前「授業の工夫と抱負」を書かせていただいたときは、主に授業にどんな工夫をしたかを述べ、次の機会には、工夫したことの効果について書いたと記憶している。いずれも授業に臨むうえでの考えをまとめるよい機会であった。今回、従来考えてきたことが実践できたのかなと思っている。ただ、毎年公表される先生方のレポートを拝見すると、高度な技と労力が感じられる。私が工夫と言ってきたものは工夫のうちには入らず、極々普通のことに過ぎない。今回は授業に対する工夫とは何かを考えてみた。

2.工夫の原点

授業に先立ち、まずこの科目で何を講義したいかをはっきりさせることから始まる。設定したテーマを学生といかに共有して授業を成立させるかが工夫のツボである。「テーマを共有する」・・・と言う言葉になるにはずいぶん年数がかかった。

教員免許を取得するため教育実習を体験しているが、授業方法をちゃんと教わった記憶はない(だけかもしれない)。従って、我流であるから板書の仕方も分からない。最初に講義をもったころ、黒板は真ん中から使い始めた。大事なことを書くのだから、“みんながよく見える真ん中”というのが工夫であった。評判が悪かった。「左から」と絵に描いて指摘してくれる学生もいた。家族に確かめた。当然、学生に軍配が上がった。板書の工夫(?)をスタートとして、試験の仕方、資料や演習問題の配付等々で工夫が続く。それぞれの工夫はその都度学生に好意的に受け取られていることは、昨今の「授業改善アンケート」からも察することができた。

教室が一瞬、シーンとなる時がある。もちろん、「単位は・・・」とやると、静かになるがそれとは違う。“見られてる”という快感! 授業はライブなんだ。ここはチャンスと板書に力が入る、左から。どんなライブかは専門によって違うだろうが、「研究のおもしろさ」が根っこになければならないと考えている。

3.今後の抱負

そろそろ工夫の“ネタ”も尽きてきた。毎回述べているようで芸がないが、学生に対しては「人それぞれは、貴きものあり」を忘れてはならないと思っている。こちらがそのように接しても、相手は何のそのということも常。腹の立つこともある。そのときは思いっきり爆発し、どうフォローするか。「教育の仕方」は永遠の課題である。相手は毎年入れ替わる。今後も、新鮮な気持ちで教育に携わりたい。

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