21年度 優秀教員のことば

「日頃の教育に対する工夫,及び今後の教育への抱負」 — 知能システム工学科 浅井 竜哉

知能システム工学科では、ヒトや生物に学んだ知能を持ったシステムについての知識を学んでもらうため、生物系の科目をいくつか用意しています。現在、私が講義として担当しているのは、「生命科学入門」(1年前期)、「神経科学入門」(2年前期)、「人間情報学」(3年後期)の3科目で、特に最初の2科目は、生物学に近い科目といえます。一方、学科に入ってくる学生さんの多くは高校の時に生物を習っていないため、1年前期に開講している「生命科学入門」では、高校の生物ですでに学んでいるはずの内容から話を進めるようにしています。

パワーポイントなどを利用した授業では、どうしても学生さんが寝てしまい、またノートを取ってまとめさせることが重要であるとの信念から、基本的には板書をしながら授業をしています。(おそらくパワーポイントを利用した授業でも、工夫をすれば学生さんは寝ないのかもしれませんが。)また、生物系の科目の場合、視覚的に捉えた方が説明しやすく、また学生さんの理解も進むと思い、関連する図や写真をスクリーンに映しながら授業を進めています。その時、黒板のスペースを狭くしたくないため、黒板の横に写せるようにサブのスクリーンを用いています。また、使用する図の中で重要なものはプリントにして授業の前に配布し、学生さんの理解を助けるようにしています。

黒板はノートがとりやすいように大きな字で書くようにしています。本当は、学生さん自ら重要と思うことをノートにとって欲しいので、できるだけ最低限のことを板書したいのですが、後でノートを見れば内容が理解できるように、まとめたものを板書しいています。どこまで書くべきかというこのことは、なかなか難しく、これについてはいつも頭を悩ませています。授業の最初には、前回の授業に関する演習問題を出して、解答を提出させるようにしています。また、提出させることで出席をとっています。演習問題は、短時間に解けてしかも考えさせるよう、5者択一の選択肢の問題としています。その問題の解答をすることで、前回の授業の復習になり、またその日の授業の導入のような役割にもなります。

「生命科学入門」で教える内容は、身の回りのものが対象となることがあり、例えば今年であれば新型インフルエンザのことなど、その時に話題となっていることを取り上げて、できるだけ学生さんに興味を持ってもらうようにしています。また最近では、生物応用化学科で行っているプロジェクトを参考にして、学生さんに本を読んでもらうことと授業に関連した内容を別の角度から理解してもらうため、ベストセラーになった「生物と無生物のあいだ」を課題図書として読ませるようにしています。アンケートをみると、やはり少数の学生さんはこのような本を読むことに抵抗があるようですが、生物あるいは生命のすごさをあらためて感じたというコメントもあり、今後も続けていきたいと思っています。

その他は、バランスが難しいですが、学生と同じような目線から話すようにしています。しかし、怖くない先生と思われているようで、授業中に学生さんの私語が多くなることがあり、注意をするタイミングに悩んでいるのも事実です。

自分の理想とする授業は、自分の講義ノートを見ずに、黒板の前だけでなく教室内を歩いて、学生さんに質問をしたり、たまには脱線した話をしたりと、学生さんと近い距離で話すというものですが、そのようになるにはまだまだ時間がかかりそうです。そのためには、まず学生さんの顔と名前を覚える必要がありますが、努力が足りないのか、名前を覚えるのが苦手で、これも今後の課題と思っています。学科の新入生だけでもよいので、数年前まで配布していた学生さんの写真一覧をできれば復活して欲しいと思っています。

実は、優秀教員に選ばれたのは今回で2回目なのですが、1回目に選ばれたのは数年以上も前で、長い間選ばれてきませんでした。その時から教育方法がそれほど上達したと思っていないので、今回選ばれてびっくりするとともに内心ほっとしています。学生さんとの年齢の差はかなり大きくなってしまいましたが、これからもできるだけ学生さんと同じような目線に立って授業をしていきたいと思っています。

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