21年度 優秀教員のことば

「日頃の教育に対する工夫,及び今後の教育への抱負」
 — 原子力・エネルギー安全工学専攻 玉川 洋一

大変名誉なことに,今年度の優秀教員(物理工学科)に選ばれました.私が担当している物理工学科の授業といえば,1年生の後期に「力学講究」という講義と演習を併せた形の授業を半分くらいです.半分というのは,この授業は習熟度によって2クラスに分けられており,担当しているのが,所謂力学のまだよくわかっていない学生30人程度のクラス(Bクラス)だからです.

さて,ここで「日頃の教育に関する工夫」について述べようと思ったのですが,特に目立って特別のことはしていません.ただ,思いつくことが一つだけあります.それは,自分自身が学生だった頃,物理学(力学を含む全般)が大好きだったにもかかわらず,その内容についてはさっぱりわからなかったということです.私の居室の本棚には10冊以上の力学関係の教科書や演習書が並んでいますが,これはほとんど,自分が学生のときに購入したものです.講義を受けて理解できないところがあると,その足で生協の書店や古本屋に出かけて立ち読みをし,わかりやすい解説がしてあるとその教科書を手に入れる.そんな勉強の仕方をしていました.それでもよくわからなかったのですね.

ですから,教員になって学生を教える立場になった今,「よくわかっていない学生のクラス」を積極的に担当させてもらい,授業を行うときには,当時の自分を思い出しながら自分がわからなかった部分に注意をして,少しでもわかってもらえるような問題を作成し,学生に解かせて,なるべくわかりやすい解説をしながら進めるようにしています.そういう授業をする上で気をつけていることを少し書き出してみます.

1.予習をする.

皆さんも同じだとは思いますが,とにかく毎時間の予習をします.毎年問題も更新しながら,今年の学生がどこがわかっていないかを考えて問題を選んで自分でいろいろな方法で解いてみます.

2.授業中は学生の顔色と手元を見て回る.

今やっている問題がわかっているのか,わかっていないのか?どこがわからないのか?手を動かして解こうとしているか?時間を稼いでいるだけか?手はどこで止まっているか?なるべく1人1人に声をかけながら見て回ります.

3.黒板には大きく絵を描く.

力学なので,とにかく,物体と作用する力を大きく図示します.その後で,その関係を微分方程式で表してからゆっくり解いていきます.

それから最後に,私は授業の進め方として,クラスの半分以上がわかるように問題選びと進度を設定しています.これは担当しているクラスの性格を考えてのことでもありますがせっかく何らかの魅力を感じて物理に興味を持って入学してきた学生に,ワクワクする物理のおもしろさを少しでもわかってもらいたいと思っているからでもあります.

←1つ前のページに戻る

教育

工学部・工学研究科

優秀教員

GPプロジェクト