22年度 優秀教員のことば

「日頃の教育に対する工夫,及び今後の教育への抱負」
 — 材料開発工学科(工学研究科ファイバーアメニティ工学専攻) 中根 幸治

平成21年度から材料開発工学科2年生の授業で材料力学を担当している. 私自身,学生時代から材料力学に接する機会がそれまでほとんど無く,不惑の歳になって初めて材料力学をきちんと勉強することになった. このため,自分が理解しにくかったことをよく覚えている. そのような部分は,教科書の説明と共に,自分が納得した表現で補足説明するようにした. また,「何故今これをやっているのか?」ということを度々大きな視点から現在地を確認してもらえるように努めた. 材料開発工学科の授業であるので,高分子やセラミックスなど材料の特性や事例を出来るだけ紹介するように心がけた. 材料開発工学科の学生は力学と名の付く科目は苦手意識がある子が多いのではと(勝手に)思っているので,そのような学生に材料力学に向き合ってもらえるように,企業の開発担当者から聞いた材料力学の必要性や私の材料力学に対する(浅はかな)想いも紹介した.

学部3年生の学生実験では,TAに頼りすぎない様,今年度から実験の説明・実施からレポートの書き方の説明まで全て自分で担当することにした. TAの有り難さが身に染みたが,逆に,学生と雑談したり,納得してもらえるまで説明できる時間が格段に増えた.実験レポートの受理は数年前から厳しくしている(それまでは不備があっても受理していた). 1人1レポートにつきチェックやディスカッションに30分以上かかることもあり学生も私もお互いにシンドイが,真剣にレポートの修正・再提出をしてくれる学生が多く,結果的にこれが学生との交流を深めることになった.

「難しいことを易しく,易しいことを奥深く,奥深いことを面白く」これは10年ほど前に知った言葉で,作家の故井上ひさし氏の言葉だと思われる. 学生に教える時にはこの言葉を意識するようにしている. しかしながら未だに第一段階の「難しいことを易しく」で悪戦苦闘している. 優秀教員に選んでもらったことを励みに,どうやったら「奥深く」「面白く」教えられるかを追求していきたい.

優秀教員の投票理由で特に嬉しかった学生からのコメントの一つに,「自分に本を読ませるきっかけを作ってくれた先生だから」がある. 教員のちょっとした言動やふるまいを学生は敏感に捉えているのだと思い,自分の仕事の責任の重さを改めて感じた. 多くの学生に何かのきっかけを作ってあげられる存在になれるようにもっと見聞を広げていきたい.

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