22年度 優秀教員のことば

「日頃の教育に対する工夫、及び今後の教育への抱負」
 — 物理工学科(遠赤外領域開発研究センター) 藤井 裕

私が物理工学科で受け持つ科目は多くはありません(物理工学実験II,IIIと電磁気学講究)。 たまたま昨年度、物理博物館(物理工学科の学生が中心の創成活動の場)および新入生合宿の担当として学生さんらと接する機会が多く、そのおかげで選ばれたのかもしれません。 物理博物館の学生さんらからお祝いしていただき、大変感激いたしました。これに満足することなく、教育面での改善の工夫・努力を継続していきたいと思います。

日頃の教育に対する工夫について、私が実行している内容を、恥をさらすようではありますが、述べてみたいと思います。

・とにかくわかりやすく、フィードバックを大事に

電磁気学講究は受講者を2クラスに分けた少人数教育をしており、私は前期の講義の成績があまり良くなかった30名前後を担当しています。 あまり理解度が高くないことから、まず前期の復習に時間をかけます。 基本的な演習問題を選び、ゆっくり取り組みます。前後関係にも配慮して各問題の位置づけ・目的を明確にします(私が学生の時の演習講義は問題の羅列が多く、もともと理解不足の科目では系統的な理解が難しかった記憶があります)。 学生に解答を板書させることで表現力も養います。ただし板書が見にくくならないように注意を払います。 担当学生に質問したり、補足を加えたりすることで、さらに理解を深めるようにします。 また、理解度を把握するためのチェックを課しています。 まず(少人数講義だからこそできる取り組みとして)演習問題は前回までに配布し、当日予習してきているか見て回って一人一人と話します。 さらに演習問題の理解度をチェックするような小テストを半期で10回程度行います。 当日の問題に答えが含まれることが多いので、学生もわりとよく聞いています。 また、できが悪い場合は、あらためて講義するなどの対処をとることができます。それ以外にも必要に応じてポイントをまとめる講義をします。 下でも述べますが効果的に尻をたたき続ける方策をまだまだ模索中です。

・前向きに尻をたたく

学生をやる気にさせるのはもちろん難しいことです。 過剰な量の課題等を与えて束縛を強くすると、カンニングなど変な方向に走りかねません。 しかし、よく言われているように、「自分に利益がある」ことに対しては比較的やる気を持ちやすいようです。 上述の小テスト等もあくまで自分の理解度のチェックであることを強調します(このようなチェックが自分に役立っているかアンケートをとりましたが、おおむね肯定的でした)。 よく考えれば講義のすべてが自分のためになるはずなのですが、意識付けを繰り返すことは効果があると思います。 また、チャンスがあれば、学んでいる物理法則が実社会でどのように役立っているか、や、自分が社会に出た際に必要な知識となる可能性、も話すようにしています。これは学生実験でも同じです。

・単位取得にキュウキュウとしがちな学生に

たまに学生から、単位取得できるか心配だと相談(懇願?)されることがあります。 最近、私はこのように答えることにしています。「私も学生時代に単位をいくつも落としたことがある。 しかし、繰り返し勉強することでかえってよく理解できたので良かったと思っている。」また、まじめにやっているのに点数が足りない学生については、不合格にする際に呼び出すことがあります。 なぜ不合格にするのかを話すと同時に、上述のような話と、またその学生の良いところを見つけて前向きな気持ちにさせるようにしています。

 

教員それぞれに特徴があって良いと思いますが、私は自分のキャラクターから考えてこのような方法が自分に合っていると思っています。やや長文となりましたが、参考になる部分がありましたら幸いに存じます。

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