23年度 The teacher of the yearのことば

「日頃の教育に対する工夫、及び今後の教育への抱負」 — 生物応用化学科 末 信一朗

今回は、図らずも3回目の優秀教員の称号をいただきました。過去2回の受賞から数年以上経過してからの受賞ということだけでなく、自分にとって今回くらい、この受賞に関しては考える意義が深いと感じています。それというのは、多くの教員にも共通することだと思いますが、ここ最近、研究室という特殊な環境の中での密度の濃い人間関係が苦手な学生や「うつ」などの心の病に冒される学生が増えてきて、その対応に苦慮してきました。この様な状況に加えて、さらに昨年より、詳しいことは省略しますが、今まで体験した以上に精神面でも研究面においても特に指導の難しい学生を預かることになりました。彼の指導に対する負担は並大抵のものではありませんでした。初等中等教育とは明らかに異なる大学院という研究・教育体系の中で、学生にどこまで均等に教育と研究指導をするべきであるか、また、そうすることによって、周囲の学生が受けられなく指導のことも大変大きな悩みとなりしました。

心身共に疲れ果ててしまい、正直言って平成23年度前期講義は、平常を装いながらも、心の片隅に、どうでもいいという投げやりな気持ちが多少なりともありました。しかし、授業に対するこの様な気持ちの微妙な変化は、授業アンケート結果にすぐさま反映されました。前半のアンケート結果では、ほぼ例年どおりの評価でしたが、後半のアンケートでは、声が小さい、出席のとり方が悪いなど惨憺たる結果でした。自分としては、今期は何とか誤魔化して乗り切ったつもりに思っていたことが、学生にずばり指摘されていることにかなりのショックを受けました。そして、この結果を受けて、自分が大学教員として教育に携わってきたことの意義を改めて考えてみました。民間企業の研究員から教員となった時に感じた研究と教育の両方に携わることの喜びや生きがい、長年をかけて積み上げてきた講義への工夫とそこから得られた経験などが次々と浮かびあがってきました。まったく、今回は自分に恥じ入るばかりでした。後期の講義からは、気持ちを新たに自分の原点に立ち返ったことが学生諸君の評価と今回の受賞に繋がったのではないかと思っています。やはり、講義の原点は講義テクニックになく教員たるものの講義に対する気持ちの持ち方によるものだと感じています。その点では、授業アンケートは貴重なツールだと考えています。

今後については、常に自分が大学教員となりたかった原点を忘れずに講義に望んでいきたいと考えています。

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