24年度 優秀教員のことば

「日頃の教育に対する工夫、及び今後の教育への抱負」      — 生物応用化学科 吉見 泰治

私が受け持っている授業は、有機化学関連の講義と演習、実験です。有機化学は、化学系である我々 の学科において授業の基礎となる分野ですが、生物の遺伝や身近な化学製品などの直接的かつ華やかな 応用例がないために、学生達にとって、初めは分かり難い分野だと思います。また、高校時代の有機化 学は、ただ反応式を覚える暗記科目であり、人によっては嫌いな科目かもしれません。しかし、有機化学の基礎的な考え方を手に入れれば、世の中のいろいろな出来事が、より理解できるという思いで、講義などを行っています。例えば、有機化学の反応式をただ覚えるのではなく、これらの反応式の基礎的 なことがわかると、オゾンホールや地球温暖化の問題が分子レベルで理解でき、どのような分子がこれ らの問題に関わってきているかがわかります。また、人体の中で行っている有機反応により、生命が維 持されていることも理解できますし、麻薬などの有機化合物が、脳にどれほど危険かも化学構造式から 理解できます。学生達には、これらの考えを手に入れて、当然のことながら就職や会社での研究にも生 かしていただきたいのですが、それだけでなく、世の中で起こっていることを理解するための新たな“眼” を手に入れてほしいと思っています。

講義における技術的な工夫は特にやっていません。パワーポイントを一切使用せず、板書を見やすく書き、わかりやすく学生に説明します。また、後で、ノートを読み直しても理解できるように、重要な ことは日本語で、しつこいぐらい板書することぐらいです。

今後の授業も基本的には同じ考え方で行いますが、世の中の出来事を分子レベルで理解できる思考を 持つ学生を増やすために、授業における話題の選択には試行錯誤していきたいです。

 

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