24年度 The teacher of the yearのことば

「日頃の教育に対する工夫、及び今後の教育への抱負」    — 機械工学科 田中 太

私は福井大学に着任して今年で 6 年目になります。担当している講義は、2 年生前期の流れ学と熱流体 力学演習Ⅰ、3 年生前期後期の機械創造演習と機械工学実験です。福井大学に着任してから、初めて講義 を担当するようになり、これまで四苦八苦しながら自分の講義スタイルを作ってきました

私が研究者、そして教員の道に進むきっかけになったのは、先生のちょっとした一言でした。ロボット 工学の授業の中で、ラグランジュの運動方程式を用いて垂直 2 リンク型マニピュレータの運動方程式を導 いたときのことです。この運動方程式には非線形になる重力項が含まれているので、制御の際には平衡点 近傍で線形近似して、モータへの入力を制御することを学びました。そのときはずいぶん難しいことをし ないといけないのだなあと思いながらその講義を受けていました。その後、当時の私はスカラ型組み立て ロボットが日本の工場で大変普及しているらしいことを知っていたので、なんとなく自宅でスカラ型ロボ ットに相当する水平 2 リンク型マニピュレータの運動方程式を導いてみたところ、重力項が消えて線形の 運動方程式になりました。今思えば、それは運動方程式を導く前からわかるような当たり前のことですが、 当時はちょっとした発見をした気分になって、次の講義のとき、先生に対して「スカラ型ロボットのよう な水平リンク型ロボットならば非線形項である重力項が消えるので、制御が簡単になるのではないです か?」と尋ねたところ、先生に「良く気づいたね」と誉められました。今、私が福井大学で教員をしてい るのは、このときの先生の一言がきっかけになっています。

私が学生と接するときの行動原理は、このときの経験が基礎になっています。教員の発する言葉には学 生にとって大きな影響力があります。私が学生と接するときに忘れないことは、学生はかならずできると 考えて発言することです。できるに含まれる意味はいろいろなものがありますが、この考えに基づいて学 生と話すとき、私の口から出てくる言葉の内容と展開が変わります。いつの日か、学生にとって、なにか 飛躍のきっかけになれると嬉しいと思いながら毎日の講義を行っています。

今後も講義や演習の内容に改善を続けていき、自分が学生のころに理想としていた教員に少しでも近づ けるように頑張りたいと思います。

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