25年度 The teacher of the yearのことば

「日頃の教育に対する工夫、及び今後の教育への抱負」    — 生物応用化学科 沖 昌也

教員にとって学生がどのようなことを考えているかを知ることは大変重要なことであり、学生実験の待ち時間などに、学生といろいろな話題に関して話しをするように心掛けている。「なぜこの大学を選んだか」、「なぜこの学科を選んだか」、「実際に入学して入学前の大学のイメージと違ったか」、「将来何になりたいか」、「大学院に行こうと思っているか」、「どんなバイトをしているか」、「部活動はしているのか」など話題は様々である。

昨今、大学院の定員割れに関して、その原因と今後の対策に関して日々議論されているが私なりに考えていることを記載させて頂きたいと思う。 「なぜこの大学を選んだか?」、「なぜこの学科を選んだか?」という質問に関して、ほとんどの学生が、「入れそうだったから」、「高校の先生に言われたから」など、偏差値重視で決めてしまっている。当然と言えば当然だが、つまり目的意識がほとんどなく、「何となく流れで大学に来た」という感じである。

ところが、「将来何になりたいか?」という質問になると、「漠然と希望はあるが、明確には決まっていないので大学で学んでいる過程で見付け出したい。」、また、「大学院に行こうと思っているか?」になると「入学前は考えていなかったが、興味がある研究に出会えたら進学したい。」という回答が以外と多い。裏を返せば大学での教育次第で、学生の進路は大きく左右され、どのようにでもコントロール可能であることを意味している。選挙で例えると「支持政党が決まっていない浮動票」をたくさん取り込んでいることになり、また、教員の立場からすると「教育しがいのある学生達をたくさん獲得出来、あとは教員の腕の見せ所で教員次第だ。」ということになる。

各教員は、魅力があったためにそれぞれの専門分野に進んだはずである。なぜ、この分野に進んだのか、その魅力を講義の際に、数名の学生にでも伝えることが出来れば学生はその分野に進みたいと感じるのではないだろうか。そして、それぞれの教員が自分の専門を魅力的に語れば、大学院進学を考える学生も自然に増えて行くのではないかと考えている。つまり、講義等を通じて「学生のやる気の『引き金』」をうまく引くことが重要なポイントとなる。逆に大学の講義に魅力を感じず、自分の興味ある分野が見付けられなかった場合、大学院への魅力は無く、大学入学時と同様に「何となく流れで就職した。」ということになるのではないだろうか。

この大学の学生は、変に擦れてなく以外と素直な学生が多いと感じており、少なくとも私は「自分の分野はこんなに面白く、それを研究して新しいことを発見出来、そのうえ給料までもらえる大学の教員という職業ほど魅力的なものは無い。その職業に就けている私は本当に幸せである。もし、みんなも何か面白いと感じる研究分野に出会えたら可能な限り研究者の道を目指して欲しい。」と講義の要所でアピールするように心掛けている。自分が楽しそうに、また熱心に話せば、以外と学生に伝わるのではないかと勝手に思い込み、日々の講義に取り組んでいる。教員が生き生きしている大学は、学生にとっては大変魅力ある大学であり、教員個人個人のちょっとした心掛けが大学を変え、学生の将来に大きな影響を与えると確信している。

 

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