25年度 優秀教員のことば

「日頃の教育に対する工夫、及び今後の教育への抱負」    — 電気・電子工学科 葛原 正明

優秀教員に選んでいただき大変嬉しく感じている。優秀教員の投票では、選ぶ学生の年次と投票時期が結果に影響することは確かであり、後期のこの時期に3年生対象の専門科目の講義をもつ教員が有利になることは否めぬ事実であろう。逆に、低年次学年向け基礎科目を複数ご担当の先生方には申し訳なく思う次第である。

担当する講義は、3年生前期に「半導体工学」と「電磁波工学」、3年生後期に「電子デバイス」である。過去5年間以上、同じ科目を担当している。「電磁波工学」ではマックスウェル方程式の導出と解法を講義し、高周波回路の設計に繋がる知識を伝えている。携帯電話やテレビ放送が身近な応用として存在するため、学生の勉学意欲を高めることは比較的容易なはずであったが、スマホ世代になり変化を感じている。アンテナの長さを講義したくても、携帯電話やアナログテレビ受信機のアンテナの認識は、昨今の学生には希薄である。ましてや、携帯端末が重くポケットに入らなかった90年代導入期の思い出を学生と共有することは極めて難しくなった。それでも、過去の技術課題がいかに改善され今の姿となったかを学生に実感を込めて伝えることは、勉学の励みを与える可能性も高く、歴史の伝道師としての教員の役割も重要ではないかと感じている。「電子デバイス」でも、応用を意識しつつ基礎知識を丁寧に教えている。現在注目されている技術を紹介することは勿論であるが、過去に現れその後衰退した技術の歴史についても触れることが、学生たちに技術革新の重要性を教える良い契機となるものと考えている。

学生諸君には、自分が進みたい分野を真剣に考えて欲しいと願っている。過去の偉大な技術者の逸話を本で読み、教員を含むできるだけ多くの関係者と交流して欲しいと思う。大学時代に出会う知識、経験、人脈はその後の命運に大きく影響するからである。ところで、今の学生諸君はどれだけの刺激を教員から感じてくれているのであろうか。シラバスに忠実な講義進行に反対はないし、理解度試験の重要性に疑問もない。しかし、シラバスや定期試験だけに縛られず、もっと教員の個性に満ちた講義形態を追求してもよいのではなかろうか。例えば、その日の講義から受けた印象または自らが目覚めた方向性を自由な作文形式で提出させる講義や、その日の講義に関連した演習問題を自ら作成してその模範解答を提出させるような講義である。少なくとも、学生と教員との交流の接点を拡張する工夫を随時に心掛けていたいと考えている。

 

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