26年度 The teacher of the yearのことば

「日頃の教育について」                 — 情報・メディア工学科 吉田 俊之

現在の優秀教員制度になって以来,光栄にも連続して選出頂く結果となり,本レポートもこ
れで6回目である.一昨年のレポートの段階で「いよいよ書くことがなくなった」旨を報告し
ており,今回はネタも尽き果てたため,以下,某所に書かせて頂いた内容と重複することをお 許し頂きたい.


小職は,専門の必修講義として「確率統計」と「計算機の中級プログラミング」を担当して いる.特に,後者は情報の学生が備えるべき最低限のスキルであって,これができない学生を 卒業させるわけにはいかない.こんな指命感も手伝って,特に必修科目では,毎回, 演習問題を解いてレポートとして提出させ,


という「厳しい青鬼」に徹している.本学に赴任した直後に「ここの学生は,ちゃんとやれば 出来るだろう」と直観し,「厳しく接しよう」と心に決めたためでもある.


一切「媚びる」ことのない「青鬼」に徹すると学生からは嫌われるだろう,と思っていたが, 実際には学生からの評判は思ったより悪くないようで,こうして連続して Best Teacher of the Year に選出してもらっている.これまでに寄せられた学生からのコメントでは,「厳しいけれど, 小テストがあるので毎回きちんとやっておけば,単位が取れていい」とのことである.「学生に 媚びてはいけない.厳しく接する」ことを旨として実践し,一方で,こうして Best Teacher of the Year に選出してもらうことで「間違った教育はしていない」と,どこか自分を安心させて きた.


何と浅はかだったのだろう,「学生に厳しく接することこそが,学生に最大限に媚びている」 という事実に全く気付いていなかった.ここの学生は「ある程度の厳しさを望んでいる」ので あるから.「やれば出来る.しかし,強制されないとやらない/やれない層」に対して真に必 要な教育とは,「個々の科目の単位を取らせること」ではなく,「自律・自発的に学ぶ態度を培う こと」である.その意味で,真のBest Teacher of the  Year とは,「昔ながらの放任主義(失 礼!)でも,きちんと出来るようにさせられる先生」であろう.この域には到達できない.

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