26年度 The teacher of the yearのことば

「日頃の教育に対する工夫、及び今後の教育への抱負」        — 機械工学科 竹下 晋正

授業,研究指導ともに「自ら問い」,「考え」,「論理的に表現」する能力を学生自身が「育める」ように,いかにして「教える」か,という難問に対して自分なりの解答を暗中模索してきました.教育では,近視眼的に「効率・効果」を求めれば求めるほど,本来の目標とするところからますます遠のいていくように思います.そこで近年は授業,研究指導ともに,ともすれば安易に「効率・効果」を求めようとする自分自身にブレーキをかけ,逆に極力「待つ」ことを心掛けるようにしてきました.以下の私なりの方策が,私と同様に暗中模索されている方々の一助となれば幸いです.


授業は,板書を主体にして行い,学生のノートへの転記完了を必ず確認してから内容の説明に入るようにしています.板書を主体にしているのは,学生は手を動かすことで脳活動が刺激され,次の「内容の説明」に対する準備と理解度促進が期待されるためです.また,重要度が高いにもかかわらず,学生の表情から理解度が芳しくないと推察されるときは,表現方法を少し変えて「内容の説明」を繰り返すようにしています.更に,専門科目「機械材料」では,学生の復習時の便宜を考え,板書の際に教科書のページ数・図表番号や配布プリントの図表番号をまず記述するようにしています.加えて,黒板には「キーワード」や「キー・ポイント」,及びそれらの関連・関係性のみを箇条書きにし,完成形としての文章は口頭で述べるだけで敢えて記述しないようにしています.学生には,復習時に完成形の文章を自分なりに作成することを勧め,そのことが期末試験時の記述問題に対する準備にもなることを強調しています.また,専門基礎科目「微分積分Ⅱ」では,「計算力」のみならず「論理的な思考力・記述力」の重要性を説き,中間・期末試験時には公式の導出問題を必ず出題するようにしています.加えて,公式を導出できてこそ,それを実際の問題に適用できる応用力が培われることも繰り返し強調しています.

余談ですが,授業中の私語に対しては厳しい態度で臨んでいます.まず「質問かどうかの確認」をし,質問でないならば私語は「他の学生の聴講の妨げ」になり,「他の学生の授業を受ける権利」を侵害していることを指摘しています.

研究指導では,こちらが学生にまず「問題提起」をして「考え」てもらい,結論の「説明」を求めるようにしています.私自身も「考え」ますが,私なりの結論は学生とのディスカッションの中で全部は出さず,ヒントの形で小出しにして学生が「育つ」ことを「待つ」ように心掛けています.


最後になりますが,現在の私が「在る」のも学生のお蔭です.今後も,学生の将来を見据えた教育を念頭に置き,学生とのかかわり合いの中で私自身も育っていきたいと願っています.

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