28年度 The teacher of the yearのことば

物理を学ぶ楽しさと大切さ                  — 物理工学科 玉川 洋一

今回、物理工学科において優秀教員に選ばれ大変光栄に思います。ありがとうございます。

さて、前回の大学院改組で新しい専攻が設置され、物理工学科から原子力・エネルギー安全工学専攻に移動して10年以上の歳月が経過しました。新しい専攻での教育は様々な分野の先生方と一緒に一から作り上げるもので、毎日が大変楽しく興味深いものでした。中でも、他大学の学生と一緒に合宿形式で学ぶ原子力関連施設での実習を新しく立案し予算を獲得して継続的に実施できていることは現在の自分にとって大きな力になっていると思います。さらに、近年では国内にとどまらず東南アジアを対象とした海外からの留学生に対する教育のあり方について日本全国の様々な方々と意見交換できる機会が与えられ、敦賀キャンパスの先生方との交流と併せて、新しい気付きの機会をいただいています。特に、3.11事故の影響で世間では敬遠されがちな原子力分野の人材育成については、全国の大変熱心な教員たちと、何より原子力を学ぼうと自らこの分野に飛び込んでくる学生たちの熱い想いに大いに助けられています。

こうして原子力の教育研究に携わるようになっても、私としては未だに物理学の世界から離れることはできません。それは、この物理学という学問領域が持つ独特の自由な雰囲気が好きなことと、この雰囲気が今まさに「原子力」の世界に必要だと感じているからです。原子力工学の世界では、規律としきたりや人の上下関係がかなり厳密です。それはこの分野がこれまで官主導で牽引され、中央省庁・電力会社・大手メーカー・下請けメーカーという縦の系列の中で形成されてきた歴史と絶対的な安全を担保するための責任体制によるものではないかと思いますが、この辺りが時に窮屈で鬱陶しく感じることがあります。ご存知の通り、物理では人の役割の区別はあるものの明確な上下関係を意識することは少なく、学生と教員はフラットな関係を保ちながら自然現象を前に共に議論し発展させる独特な雰囲気があります。学生の時期に是非このような場で学び、一個の人間としての意識を醸成し、これからの新しい科学や工学を拓いてほしいと思います。

これからも物理と原子力の2つの領域に関わりながら、学生と一緒に楽しく勉強させていただきます。

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