工学部長・研究科長メッセージ

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 今、世界は文字通り激動の時代にあります。国際連携の枠組み自体が根本的に変化し対応を求められ、AIやDXの普及・発展、気候変動と脱炭素化、災害対策と持続可能なインフラ・まちづくりなど世界共通の課題をクリアしつつ、産業構造の変換も求められています。日本国内に目を向ければ、これら世界の動きにプラスして、人口減少と少子高齢化への対応は待ったなしです。これから学部・大学院に入学し成長していく皆さんにとって、これらの課題・対応は生涯関わることになるでしょうし、現在想定されていない新たな課題にも遭遇するでしょう。

 では、福井大学工学部・大学院工学研究科で皆さんに何を目指してもらうか? それは、「グローバル・イマジニア(Global Imagineer)」です。イマジニアとは、イマジン(Imagine)とエンジニア(Engineer)を融合させた造語です。つまりグローバル・イマジニアとは、国際的(Global)な視点で夢を描きそれを形にするエンジニアのことです。そもそもエンジニア(工学技術者・研究者)の役割は何でしょうか。それは社会に役立つモノを考案・設計し実際に社会に提供することです。前述の世界および日本の様々な課題に対応可能な役に立つモノを、主として自然科学を基礎として、専門知識を活かして考案・設計し現実のものとするわけです。もう少し分かりやすく表現すれば、「こういうモノがあるといいな~」「こんなモノが出来れば多くの人がより幸せになるな~」と夢に描き、学部・大学院で学び修得したことをフル活用し、実際に社会で考案・設計(デザイン)できる人。しかもそれを世界全体を見渡して出来る人。それがグローバル・イマジニアです。夢に描いてほしいことには、皆さん自身の将来ももちろん含まれますし、皆さんが考案・設計した社会に役立つモノを利用するだろう世界の人達の生活や社会も含めてほしいです。

 このようなグローバル・イマジニアに皆さんが成長していくために、福井大学工学部は全力で支援します。講義室での授業だけでなく、実験や実習、研究室での研究活動など、様々な手段を通じて皆さんの成長をサポートします。そのために、工学部では5学科(機械・システム工学科、電気電子情報工学科、建築・都市環境工学科、物質・生命化学科、応用物理学科)11コースに分かれて、工学研究科の博士前期課程では3専攻(産業創成工学専攻、安全社会基盤工学専攻、知識社会基礎工学専攻)14コースに分かれて、工学研究科の博士後期課程では総合創成工学専攻において、教育研究活動を行っています。これら工学部・工学研究科には約3,000人の学生が在籍しており、工学部は日本海側の国立大学の中では最大級の規模を誇ります。関連する学内共同施設・組織として、先端科学技術育成センター、工学部技術部、データ科学・AI教育研究センター、繊維・マテリアル研究センター、附属国際原子力工学研究所、遠赤外領域開発研究センター、カーボンニュートラル推進本部、グローバルエンゲージメント推進本部などがあり、工学部・工学研究科と一体となって教育研究を通じた社会貢献を行っています。

 幸いなことに、福井大学は複数学部を有する国立大学の内、実就職率が17年連続でNo.1です。もちろん工学部も高い就職率を継続しています。同時に、在職期間3年以内の離職率も極めて低いです。これはつまり、本学工学部・工学研究科で成長したグローバル・イマジニアの先輩達は、優秀であると同時に就職後も職場で夢を描き続けているからだと思います。福井大学工学部は1923年創立の福井高等工業学校を祖として、2023年12月に創立100周年を迎えました。福井高等工業学校の初代校長・關 盛治先生は「教育は熱なり、愛なり、感化なり」の信念をもとに教職員と学生とが家族同様の関係を築く校風を作ったそうです。この校風は永く引き継がれ、現在の工学部・工学研究科においても学生と教職員との間は近い距離を保っています。ぜひ皆さんも先輩達に続いて、グローバル・イマジニアとして成長し社会で活躍して下さい。


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