JABEE(日本技術者教育認定機構)とは、Japan Accreditation Board for Engineering Education の略称です。JABEEは、技術系学協会(電気関連分野の場合は電気学会)と密接に連携して技術者教育プログラム(カリキュラムのみならず、教育方法、教育設備・環境、教員、教育点検・評価・改善等を含む入学から卒業までの全教育システムを指します)の審査・認定を行う非政府団体で、1999年11月19日に設立されました。
JABEE設立の目的は、「統一的基準に基づいて高等教育機関における技術者教育プログラムの認定を行い、その国際的な同等性を確保するとともに、技術者教育の向上と国際的に通用する技術者の育成を通じて社会と産業の発展に寄与する」ことにあります。JABEEが定めている「学習・教育到達目標」に関する認定基準は以下の1、2です。
- プログラムが育成しようとする自立した技術者像が定められていること。この技術者像は、プログラムの伝統、資源及び修了生の活躍分野等が考慮されたものであり、社会の要求や学生の要望にも配慮されたものであること。さらに、その技術者像が広く学内外に公開され、また、当該プログラムに関わる教員及び学生に周知されていること。
- プログラムが育成しようとする自立した技術者像に照らして、プログラム修了時点の修了生が確実に身につけておくべき知識・能力として学習・教育到達目標が設定されていること。この学習・教育到達目標は、下記の(a)~(i)の各内容を具体化したものであり、かつ、その水準も含めて設定されていること。さらに、この学習・教育到達目標が広く学内外に公開され、また、当該プログラムに関わる教員及び学生に周知されていること。なお、学習・教育到達目標を設定する際には、(a)~(i)に関して個別基準に定める事項が考慮されていること。
(a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
(b) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
(c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力
(d) 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
(e) 種々の科学、技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
(f) 論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
(g) 自主的、継続的に学習する能力
(h) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
(i) チームで仕事をするための能力
(2023年9月公表)