学科の特色
工学の基礎を担う
物理学は、自然現象の背後にある原理や法則を解明し、統一的に理解することを目的とする学問です。それ自体重要な学問領域であることはもちろんですが、同時にその考え方は現代の最新のテクノロジーのあらゆるところに応用され、工学の基礎としても大きな役割を果たしています。たとえば、半導体、超伝導、レーザー等は、物理学の基礎原理を応用することにより実現した先端科学技術の代表的な例です。また、物理学は人類が手にするエネルギーを飛躍的に増大させることを可能にもしました。このように、工学の発展の多くは物理学に大きく支えられています。その一方で、半導体プロセスのように、技術革新に伴う問題を解決するために発展した物理学の分野も数多くあります。つまり、物理学と工学は相互に関連し、その両者がかみあったところで現代技術の革新が行われてきたのです。
広い分野にわたる基礎能力に基づいた総合的な発想力
しかしながら、最近の技術革新では、物理学だけでなく、より学際的な基礎科学の助けも必要となってきています。最先端技術で思いがけない発明や発見を可能にするのは、各分野の専門知識ではなく、もっと広い分野にわたる基礎能力に基づいた総合的な発想力であると言われています。また、日々進歩する技術やその多様化に柔軟に対応していくためには、狭い専門分野に閉じこもることなく、幅広い分野についての基礎的な能力が必要とされています。
いかなる技術革新にも対応できるような先端技術者
そこで、応用物理学科では、物理学を中心として、数学、化学、計算機科学などを含む総合的な基礎科学を学び、それらの基礎科学と工学の接点に立って、いかなる技術革新にも対応できるような先端技術者の育成を目指します。もちろん、これらの諸科学は、工学への応用だけを目的に発展したものではなく、おのおのに独自の歴史と思想があります。学習を進める上では、その独自性も大切にしながら、科学技術に応用できる考え方や発想法が身につくような教育を心がけています。また、いろいろな分野の大学院へ進学し、より高度な研究を行う道も開かれています。
応用物理学科の分野と教育
応用物理学科は、入試定員が約50名のコンパクトな学科で、数理・量子科学分野、物性・電磁物理分野、分子科学分野の3つの分野(研究グループ)と遠赤外領域開発研究センターなどの関連組織に所属の約30名の教員が教育・研究を担当しています。学生は、1年生から3年生までに、これらの分野についての教育を受け、幅広い素養を身につけます。4年生になると各研究室に属して専門分野を決め、その分野について研究を行い、より深い知識を習得します。そして、上記の目的に沿った卒業生として巣立っていきます。
求める学生像
一般選抜・学校推薦型選抜・総合型選抜入試で工学部の求める学生像
- 基礎学力があり、チャレンジ精神にあふれる人
- 科学技術を通して国際社会で活躍したい人
一般選抜・総合型選抜入試で応用物理学科の求める学生像
- 物理や数学が得意で、将来、先端科学技術の分野で活躍したい人
- ものごとを基本に返って考えることが好きな人
- 手を動かしてものを作ったり実験をするのが好きな人
一般選抜入試における応用物理学科の採点・評価基準等
前期日程
- 専門分野を学ぶうえで必要な数学、物理を中心とした基礎的で幅広い学力のある人を求めます。
- 大学入学共通テスト及び本学が行う数学、物理の個別学力試験の総合点で判定します。
後期日程
- 専門分野を学ぶうえで必要な数学、物理を中心とした基礎的で幅広い学力のある人を求めます。
- 大学入学共通テスト及び本学が行う数学の個別学力試験の総合点で判定します。